昔は一家に一台のテレビ。
その頃の楽しみといえば、大人も子供もテレビだったように思う。
子供の頃は兄弟げんかもするし、親から叱られもする。
それでも、いつも夜は家族そろってテレビを見た。
そして、同じ場面で一緒に笑った。
部屋に引きこもる子もいない。
夜遅く塾に行く子もいない。
たった一人でコンビニ弁当を食べる子もいない。
親と口をきかない子もいない。
家族はみんな言いたいことを言い合っていた。
そんな平和な光景が昭和という時代だ。
父が好きだったので、時代劇、よく見たなー。
水戸黄門、くれないお仙、銭形平次、暴れん坊将軍。
そして忘れちゃならない遠山の金さん。
着物の上だけはだけて
この桜吹雪が目に入らぬかああああああああー。
はは~、恐れ入りましたあああああああああああー。
と、悪い奴はがっくりと肩を落とす。
お決まりのエンディングである。
お前、分かんなかったのかい。
裁きをするお奉行様が、悪行をすべて知ってるあの遊び人の金さんと同じって。
しかも、名奉行が入れ墨なんかしちゃいかんだろ。
突っ込みどころはたくさんあったが、それでも貧乏な娘が借金のカタに売られていき、
お父つぁんと再会できた時は、ついホロリとなる。
昔の時代劇は、いつも最後は悪い奴がとっ捕まり一件落着となる。
単純明快で子供心にもスカッとした。
そのせいだろうか。
正義は勝つ。
どこかしら、そう信じている。
今の子供は、お涙頂戴の臭い時代劇など見ない。
見ないから、テレビから姿を消した。
周りを見渡せば、平成という時代はなんと便利になったことか。
テレビは、時間通りに見なくても録画ができるし、それを見逃してもネットで見れる。
電話なんて1人1台。
いつでも誰かとつながれる。
しかし、便利と引き換えに失ったものも多い。
平成と昭和、どっちがいいかなんて、比べられるものではないが、
私は昭和に生まれてよかったな。
何にもなかったけど、今のような格差もなかった。
誰でも正社員になれた。
今夜は昔を思い出して、どっぷりと昭和に浸ろう。
水戸黄門の主題歌って、子供の頃はよくわからなかったけど、
結構いい詩だったのね。
ああ、人生に涙あり♪(主題歌)
人生楽ありゃ苦もあるさ
涙の後には虹もでる。
歩いてゆくんだ、しっかりと
自分の道を踏みしめて
人生勇気が必要だ
くじけりゃ誰かが先に行く
あとから来たのに追い越され
泣くのが嫌ならさあ歩け
人生涙と笑顔あり
そんなに悪くはないもんだ
何もしないで生きるより
何かを求めて生きようよ
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