人はお腹が減っていると、後先を考えずに、お腹を満たすことだけを考える。
人は、お腹がすくと、判断力を失うのだ。
だから、普段だったら絶対に入らないような、あか抜けない食堂にふらりと立ち
寄ることもある。
料理の技術もない、知識もない、修行経験もない、おまけに工夫もしない中年を過ぎたおばさんが趣味で始めた食堂だ。
色あせた壁に、古臭いポスター、メニューもありふれている。
お客さんも少ないので、掃除もサボっている。
ゴキブリさえ出てきそうな、有り様だ。
こんな食堂にまかり間違って入った時、人によって、いくつかの行動に分かれる。
まず1人目
ドアを開けた途端、お店の雰囲気が気に入らず、パタンとドアを閉めて何事なかったかのように去っていき、もっとしゃれた店を探す。
2人目
ドアを開けた途端、お店の雰囲気は気に入らないが、もしかしたら、料理はおいしいかもしれないと淡い期待を抱く。
メニューを見て、何かおいしくなさそうと思うが、お腹がすいているのでとりあえず無難なものを注文する。
まずい・・・・・
半分ほど食べて、もう無理だと思いそそくさと勘定を払い、逃げるように帰っていく。
3人目
ドアを開ける。もともと雰囲気など気にしない人である。
つかつかと椅子に座り、注文をして黙々と食べる。
うまいともまずいとも感じない。
小さい頃からご飯を残すとこっぴどく親に怒られたせいか、最後まで残さず食べる。
しかし、しばらくすると後味が悪いことに気が付き、別の店で口直しに、デザートを食べる。
4人目
ドアを開ける。まあ、こんな店もありよね、と言いながら注文をし、田舎料理をきれいに平らげる。
おいしかったとはいい難いけれど、とりあえずお腹だけは膨れたわ。
こんな店でも、おばさんが一生懸命やっている店なのよね。
何か、かわいそうと思い、
おいしかったと心にもない言葉を残して、店を出る。
こんな観音様のような人も、ごく稀だがいる。
5人目
お腹がすいているにもかかわらず、看板さえ目に入らない。
この食堂は存在しないのだ。
ほとんどの人が、ここに該当する。
ここまで、書いているうちにあることに気が付いた
来る人、来る人を・・・・・
ヤバイとこに迷い込んじゃったよ・・・・今日はツイてないや・・・・
と思わせる
このあか抜けない食堂・・・・・

私は、大いなる気づきを得たにもかかわらず、これからもブログを書くだろう。
だって私は、懲りない女だからね。