父の25回忌、先日、お寺でひっそりと済ませた。
今回は訳あって、姉と二人だけ。
もうそんなになるんだ。
すっかり忘れていた。
姉の方もそろそろかなーくらいには思ってたらしいが、そのままになっていたらしい
が、数週間前、父が夢枕に立ったと言うのだ。
そして、
「暗い、暗い、暗い」
と訴えかけたと言う。
私は父の夢は一度も見たことがない。いや、見たことがあるかもしれないが覚えていない。
姉は時々見るらしい。そしてその夢をよく覚えている。幾度となく父の夢の話を聞いた。
不思議なものだ。末っ子の私は、父に特にかわいがられていると言うのに、夢の一つも覚えちゃいない。全く持って薄情な娘だ。
姉と父はどちらかというといい関係ではなかった。父は姉には厳しく、優しい言葉をかけているところを一度も見たことがない。
でも、いざ頼りにするのは姉なのだろう。不思議なことだが、父の命日は姉の誕生日である。
そっけない関係の親子に見えていた二人だが実は私より因縁が、より深いのかもしれない。
私の枕元に父がたっても、
「どうせコイツはアテにならない!」と思ったのだろうね。
実は私は、ごくごく最近まで実家の宗派を浄土宗と勘違いしていた。と言うより、あまり深く考えなかった。だが、浄土真宗だと言うことが分かった。
「南無阿弥陀仏」
唱えるのは一緒だ。それでいいじゃん!という感じ。姉の方もそうだ。
姉妹そろって、アホ。
アホが二人集まったところで知恵などでない。
まず、お寺さんへのお包みをいくらにするか?法要の時に最も悩むのがこれじゃないかしら。色々調べてみるけど、2万だったり、3万だったり、5万だったり、気持ちでいいと言う人もいるし、余計に迷うわ。どうやら地域によっても違うし、お家柄によっても違うみたい。
いくら気持ちが大事!と言っても、お寺さんもボランティアじゃないからね。
で、恥を忍んで直接お寺さんに電話で聞いてみた。
「だいたい、2万から3万ぐらいですかねー」
お寺さんの方も、ホントに「気持ちだけ」されたら困るのだろうね。あっさり、答えてくれた。
こっちもその方がありがたい。3万に決定だ。
電話している間、姉が見張っていた。だいたい嫌なことは私にやらせる。子供の頃の上下関係は今も健在だ。
そして当日、会食も何もないお経をあげていただくだけの質素な25回忌が始まった。
場所はお寺の大広間。たった二人だ。扇風機だけじゃ暑いんだけど・・・・・。
お線香を立てて下さいと和尚様に言われ、3本立てた。家ではいつもそうしてるから。
長い長いお経が始まった。ふと妙な考えが浮かんだ。
このお経、ちゃんと父に届いているのかしら?
だってこのお寺に、父のお骨がないんだもの。
だから、せめて目の前にどっしりとお立ちになっている金ぴかの阿弥陀如来像に向かって、
一生懸命、無心で唱えたわよ。
「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏・・・・・・・・・・・」
途中お焼香をして下さいと言われ、いつも通り、一度額まで上げて、香炉に入れた。
で、何気なしに後になって浄土真宗の作法なるものをネットでくぐってみた。
全部私の作法は間違っとったわ!
だって、浄土宗も浄土真宗も大して変わんないだろうと思ってたから。
でもさすがにこのトシになると、あまり無知すぎるのもどうかという思いに至った。
で、浄土宗と浄土真宗の違いについてちょっとお勉強をしてみた。私の周りは、ほとんどこのどちらかだから、この二つぐらいわかっとけば何とかなるだろう。すぐに忘れるので、記録しておこうと思う。
やっぱり、教義ぐらいは知っとかないとね。
「浄土宗は、1175年法然(平安時代末期~鎌倉時代初期の僧侶)が開宗したものである。ひたすら「南無阿弥陀仏」と声に出して、唱えることによって極楽浄土に行けるとした(他力本願)の教えであり、すなわち念仏を唱える修行を通して救われると説いた」
「一方浄土真宗は、1224年親鸞(鎌倉時代前半~中期の僧侶)が開宗したものである。法然の浄土往生の真理を受け継ぎながらも、阿弥陀如来が救ってくれると信じる心を持つことによって救われると(絶対他力)の教えを説いた。「南無阿弥陀仏」の念仏は救って下さる阿弥陀仏への感謝の心を意味している」
念仏をひたすら唱えることが大事な浄土宗
阿弥陀如来の本願力への信心こそが大事な浄土真宗
ホ―なるほどね。法然とか親鸞とか名前だけは知ってたけど、まさか、浄土宗と、浄土真宗を開宗した人だとは知らんかったわ。しかもこの二人の僧侶は、師弟関係で、教えが違うから、仲が悪かったのかと思いきや、親鸞は生涯法然を尊敬していたと言うから驚きだね。
よそのお家に行って、お線香をあげることって、結構あるよね?ふと、何本立てたらいいの?って迷ったりしない?しかも、お線香をあげるのが、仏様にいいのは知ってても、その意味はあまりよくわかっていなかったり・・・・私だけかな・・・・・
「お線香の良い香りが、仏様への最高の供え物であり、また、この香りが、私達の身を清め自然と仏様と向き合う場を作り、仏様と繋がりやすくする」
浄土宗 一本を立てる。
浄土真宗 一本(香炉に入る長さに折って、寝かせる、火のついた方が左)
線香に火がついてたら、左手で仰いで消す。息を吹きかけるのはマナー違反。
浄土宗の場合、焼香をする時は、まず姿勢を正し、合掌し、一礼をしてから右手の親指、人差し指、中指でお香をつまみ、これを仰向けにする。右手に左手を添えて、一度額の高さまで持ち上げて香炉に入れる。回数は、形式的な3回より、1回の方がおススメだとか。
浄土真宗 場合、お香をつまむまでは浄土主と一緒だが、こちらは、お香を(額まで持ち上げず)そのまま横移動し香炉に入れる。回数は本願寺派1回、大谷派は2回。
お線香も、お焼香もその地域や僧侶の考え方によっても変わったりするらしい。でも、やっぱり基礎ぐらいは覚えておきたいね。
法事法要の時に、読経をしてもらう場合にお寺(僧侶)に謝礼として渡すのがお布施。
法要の御布施の相場は、1万から5万と幅広い。やはり地域によって違うもののようだ。
郵便番号のない白い封筒を使う(水引き不要)
薄墨でなく通常の墨字。
上段が「お布施」「御布施」「御経料」
下段が「○○家」か「氏名」