ショッピングセンターのフードコートで働くEちゃんが最近保険に入った。
彼女はうちの店に商品券よく買いに来る。
で、その彼女・・・・・
毎月、お金がないとピーピー言ってるくせに、月支払い約11000円程の終身保険に入ったらしい。
死亡保険はもちろんのこと、貯蓄性もあって、通院、入院、ガン、先進医療もついてかなり充実した保険とか。ちょっと自慢気である。
「オカンの友達の○○生命の人に勧められたんですよ、オカンも入れって言うし・・・・」
たったそれだけの理由?
死亡保険は誰が受け取るんだ?
Eちゃんは、まだ20代前半、しかも同居で親の扶養に入っている。
保険料が割高な終身保険なんてほんとに必要なのだろうか?
ふと、疑問に思ったが・・・・・
「それは、ようござんした」とチャラけて言った。
Eちゃんの親が入れって言うのだから、他人がとやかく言うことでもない。
でも、ホントは言いたかったのよ。
「そんな高い保険、若いEちゃんが入る必要ない!」
日本は、もともと社会保障制度が充実している。
代表的なものが、公的年金と公的医療保険だ。
生命保険に加入する時、この二つをを抜きにして考えることはできない。
なぜなら、生命保険は、これらの公的社会保険を補うために利用する補助的なもんだからだ。
決して、メインで考えてはいけない。
と、カッコイイことを言っているが、実は、私自身が保険で後悔していることがある。
今思えば、長いこと無駄な保険に入っていたと思うのよ・・・・・
そう思うのは、夫の保険の方なんだけどね。
私個人が入っている生命保険はいい。年金保険に医療保険の特約を付けているもので、入院給付も通常の病気だけでなく女性特有の三大疾病にガン保険まで付いている万全な?保険だ。60歳になれば、年金として、支払額を上回る額を回収することになるしね。
実は私、結婚してすぐ、保険会社に就職している。3カ月で辞めたけど・・・・・。
当時、私が行った保険会社は、採用される前に2カ月間の研修を受けて、試験に合格しないと採用されなかった。と言っても、誰でも受かるし、誰でも採用されるんだけどね。でもね、保険の勉強させてもらって、日当3000円もらえたのだから、すごく待遇が良かったと思う。
でも、これって契約者さんたちの険料で賄えているんだよね?保険会社って、どんだけ儲かってんだ?って今は思う。
私の保険は私自身が作成して当時最高?だと思い込んだ保険だ。不足はないと思っている。
だが、私はその頃保険の知識があるのにもかかわらず夫の保険にはまったく無頓着だった。
夫は、20代の独身の頃から、2つの保険に入っていた。どちらも定期付き終身保険だ。この保険、掛け捨てが大きく終身部分の戻りが少ない。一家の主は、定期付終身保険に入ることが多いと思う。死亡した時と病気になった時の補償がメインだから。年払いで二つ合わせて26万ほど。コレ、30年近く払ったからいくらになると思う?
780万!
高っ!
でもね、これって決して特別じゃないみたい。
生命保険センター調べの統計によると、保険料の年間平均支払い金額は男性で24.1万円、女性で18.2万円で、世帯平均になると、41.6万円になっている。
日本人て、保険が大好きなのね。
で、
夫の保険て、こんなに必要?
そう思ったのは、2年前・・・・・遅いし!
さすがに気付いたのが遅かったけど、1つは解約した。
今は夫の保険は年間15万程になったけど、娘が20歳になった今、それさえ必要なのか?疑問である。
うちの夫がこの保険を使ったのは一度だけ。
17年前、大腸憩室炎の手術をした。その時、手術給付金と入院給付金を何十万かもらった。
バカみたいに喜んだ。でもね、支払ってきた金額を思うと、バカみたいに喜んだことこそがホントのバカ。
仮にその時保険がなかったとしても、充分に対処できた。だって、健康保険には、高額療養制度があるんだもの。大概の手術は、9万以内の費用ぐらいで賄えるんだよね。
私達って、大病を患って、お金がなくて手術ができなかったら、大変!
そう思って、手厚い保険に加入してない?
保険会社にいた時、新人営業員がターゲットにしていたのは、加入して10年目の方々だった。確か「転換」と呼んでいたと思う。
「転換よ、転換!転換で契約してもらうのよ!」
そう言って、先輩にハッパをかけられた。
いきなり新規開拓は難しいので、こういう転換で契約を取り、営業成績を上げるのだ。
ライフプランと言うのは、5年、10年ごとに変わる。この間に結婚する人もいれば、離婚する人もいる。1人だった子供が3人に増えていたり、又は、加入した時は幼児だった子供が、進学を考える年齢になっていたりもする。
今入ってる保険を、今の環境に合わせて新たな保険に切り替えさせるのだ。
もちろん、保険営業員は現在のあなたに合った設計図を作る。それは、ホントにあなたのことを親身に考えた保険かもしれない。でも、ただ単にその保険営業員がノルマ達成をしたいがための保険かもしれない。
仮に保険料が前の契約とほぼ変わらなかったとしても、新たな契約によって保険営業員は、心の中で、ガッツポーズをとっていることだろう。
又、最近では、保険窓口としていろんな保険を一括して扱っている相談窓口がある。特定の保険会社ではないので、公平に勧めてくれるのではないか?
と思ったりはするが、ここにも保険会社のバックマージンが発生する。マージンの高い保険を売りたいと思う営業員もいるはずだ。
保険は、勧められたからと言って入るものではない。
保険に入る時、更新する時、転換する時、営業部員の営業成績の棒グラフがワンポイント延びていることを忘れないで。
保険で最も大事なのはこういった民間の生命保険ではなく公的保険である。
生命保険が必要ないなどとは言っていない。もちろん必要だと思う。
では、私達が、大金を払ってまで民間の生命保険に入ろうとするのはなぜ?
万一の時のためである。
万一の時とは、いったいどういう時なのだろう。
もっとも最初に思い浮かぶのが、一家の稼ぎ手が亡くなることだろう。又は、病気、死にまではしなくても障害を負ったり、一時的なケガで働けなくなることだ。
そうすると、生活が立ち行かなくなる。もちろん、悲しみも苦しみもお金じゃ解決できないが、お金で、生活を守ることはできる。
日本の公的保険はあなたが窮地に陥った時、いろんな場面で効力を発揮する。
あなたが会社員なら、自営業の方より手厚い保障が受けられる。
公的保険って、いったいどんな保障をしてくれるの?
これを知らずして、民間の生命保険に入ろうとすると、保険営業員の手中にハマッテ、必要以上の保険に入ってしまうかもしれない。
保険に入る時は自分でじっくりと考えて入ろうね。
まず、社会保険には、医療保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5種類がある。
生命保険と関連するものが、医療保険と年金保険なので、この二つについて確認をしておこう。
公的医療制度
①医療費の自己負担
未就学児・・・・2割
未就学児以上~70歳未満‥‥3割
70歳以上・・・・2割
※2014年3月31日以前に70歳になられた方は1割
②高額療養制度
一か月の医療費が一定の額を超えた場合、申請によって高額療養費として支給されると言うもの。このため過度な負担は発生しない。
80100円+(総医療費-267000円)×1%=実際の負担額
もし一か月50万の医療費がかかったとしたら?
80100円+(500000-267000円)×1%=82430円
もし一か月100万の医療費がかかったとしたら?
80100円+(1000000-267000円)×1%=87430円
見て分かる通り、医療費が50万から100万になってもその差額はたったの5000円。これなら高い手術代もそう心配する必要もないと思うが・・・・・。
※上記は、70歳未満年収約370万~770万の一般所得の方を例にしている。
③傷病手当金
病気やケガで働けなくなった場合に支給されるもので、連続して3日を超えて休んだ時に、4日目から一日、平均報酬日額の3分の2がもらえる。期間は最長1年6カ月。
平均報酬が日額が100000円なら6667円×日数
④出産育児一時金
出産費用を補助するための給付金で42万もらえる。
⑤出産手当金
出産に際して働けなくなった女性会社員に支給される。期間は産前42日―産後56日の間で、欠勤一日に付き平均報酬日額の3分の2がもらえる。
⑥死亡した時
健康保険・・・・50000円
国民健康保険・・・・・30000~70000円(自治体によって違う)
※③⑤は、会社員のみ対象となる。
公的年金制度
年金と言えば、老後の生活を支えてくれるもの‥‥と思っていらっしゃる方は多いと思う。でもね、それだけじゃない。万一の時の保障がちゃんとある。
公的年金制度には、3つの年金がある。
3つに共通して言えることだが、年金には自営業者や主婦などが加入する国民年金と会社員が加入する厚生年金がある。それによって受け取れる年金額が異なる。もちろん手厚いのは厚生年金に加入している会社員の方である。国民年金加入者は、基礎年金のみで、厚生年金加入者は、基礎年金+厚生年金である。
①老齢年金
老後の生活を支えてくれる年金で老齢基礎年金と老齢厚生年金がある。
②障害年金
病気で障害を負い、生活に支障が出る場合に支給される年金。障害基礎年金と障害厚生年金があり障害の程度や条件によって年金額が違う。
③遺族年金
被保険者が亡くなった時に家族が受け取れる年金。遺族基礎年金と遺族厚生年金があり、基礎年金は、18歳未満の子供がいる人が支給され、厚生年金は亡くなった人が老後にもらえるはずだった年金のおおよそ4分の3が支給される。
公的医療保険と公的年金保険は、自営業と会社員では保障が違う。
あなたはどっち?
それによって民間の生命保険はどれぐらい必要なのかを考えた方がいい。
あくまでも、備えは1番に公的保険、次が民間の生命保険だ。順番を間違えてはいけない。
確かに、公的保険は大変優秀な保険ではあるが、必ずしも万全とは言えないかもしれない。
だからと言って、あまり高額な保険に入ってしまうのはいかがなものだろう。
保険貧乏なんて、笑えないから!
民間の生命保険はホドホドでいいと思うわ