仕事を辞めた
晴れて?無職になったのは4カ月前。
自分でもびっくりしている。
2年ほど前までは、その場所でずっと定年まで働こうと思ってたからね。
結構、居心地よかったんだよね。
それがさ、
去年あたりから色々あってね・・・・・・・・詳細は省く。
その色々で、一緒に仲良く働いていた同僚たちは一足先にさっさとやめていっちゃったからね。確かにそれは、辞めたくなるほどの理由になったと思う。
でもね、私の場合、それだけじゃなかった。何となく、仕事がマンネリ化してちょっと嫌気が差し始めてたのもある。慣れって言うの?毎日に変化が欲しかったんだよね。
それなのに、決断するまでに一年かかった。
私もあと十年若かったら、もっと早く決断できたのかもしれないな。
私を引き止めたもの‥‥それは、50代半ばという年齢だったと思う。
50代で転職なんて……誰でも躊躇するだろう。
次、仕事ないかも!
そう思っても仕方がない年齢だ
でも、私の周りに50代で転職して生き生きと働く二人の女性いる。
NさんとTさんだ。その二人を見て、辞めても何とかなるかも!って単純に思ったんだよね。
その一人であるNさんは今、お惣菜屋さんでお弁当を作っている。
不思議なもんだね、子供にはお弁当たまにしか作ってやれなかった彼女が、今、毎日お弁当作ってるなんてね。
彼女の前職は、税理士事務所の職員だ。ご主人が電気修理の自営で収入が不安定。それで安定月給が欲しいとフルで働いて家計を支えていた。
定年まで勤めるんだろうなと思っていたら、何と53歳で突然仕事をやめた。パソコンを使うがゆえの目の衰えと、仕事に追われるストレスに耐えきれなくなったこともあるが、最大の理由は、二人ののお子さんが大学を卒業し家を出て独立したからだった。
要するにタカが外れたのだね。
「もう責任がないからね。子供のためにがむしゃらに働いてきたけど、これからは自分のために働きたい」と言って、一日4時間のパートにしたのだ。今は、自分の稼いだお金で、市で主催される3B体操やら、山登りやら、サークル活動にいそしんでいる。
彼女は糖尿病の持病を抱えていたが、最近かなり数値が良好らしい。
彼女曰く
「あのまま前の職場で働き続けていたら、寿命が10年は縮まったかも。あの頃の自分はストレスまみれだったからね。」だって。
その一方で、逆に扶養内のパートから、フルで働くために転職をしたのがTさん。
Tさんは、54歳の時に転職した。彼女も子供が育ちあがり、時間もできてこれまでのパートだけでは物足りなくなったのが転職のきっかけになった。もちろん老後費用を貯めるという目標もあったようだ。以前の職種は、植木屋さんで販売の仕事をしていたのだが、結構重たいものを運ぶため、腰痛の持病があった。同じ職場で働く時間を増やすという選択肢もあったのだが、このままだと腰がやられてしまうと危惧したため、思い切って転職をした。彼女は今、ウィッグアドバイザーとして腰痛とは無縁の仕事についている。あれから3年がたっているので、アドバイザーという仕事は性に合っているのだろう。
二人は、いずれも前職とは全く違う働き方をしている。そういう選択もあるのね。
それでも、不満があってもやはり同じ職場にとどまる人の方がやはり多いんだと思う。
この年って、心が変化を求めているのに、新しい仕事にとてつもなく大きな不安を抱えるもの。
若い時だって、仕事変える時は多少は不安になるものだが、その不安は50代の今抱く不安とは大きさ違う。
私が、まだ辞めようか辞めまいかと迷っていた時、2歳ほど?年上のKさんに愚痴ったことがある。
「職場でいろいろあってさ、皆辞めていくし、やる気ないんだよね。毎日同じ道通って、毎日同じ仕事して、なんか最近嫌になってきちゃったよ」
そんな、腑抜けたことを言う甘ちゃんの私に
「そりゃ仕事だから、色々あるのは当たり前。何、甘えたこといってんのよ!ガキじゃあるまいし、仕事なんてそんなもんよ」
慰めてもらおうと思っていたのに、肘鉄を食らわされた気分だったが・・・・・・
スーパーでレジ打ちを20年やっているKさんが言うと、さすがに説得力あると思ったわ。
Kさんは、辞めたいと思ったことは一度や二度ではなかったらしい。それでも、20年働き続けてきた。
そのスーパー2度名前が変わってるからね。当然、経営陣も変わって上司も変わってるから
Kさんは私の職場の環境悪化より、もっと大きい環境の変化を乗り越えてきてるんだと思う。
辞めないで続けることが彼女の仕事人生の主軸になってるのかも。
辞めないと言えば、どうしても私のママ友、いや、今ではババ友だけど、どうしてもSさんのことは外せない。
彼女は独身の頃、銀行(地銀)に就職して寿退社をした。だけど、下の子が小学校に上がると、また同じ銀行で今度はパートで働きだした。銀行って、あちこちに支店があるからね。パートと言えど転勤もあるんだよね。まあ、家から通える範囲の限定だけど。しかも、時給はそんなに高くないのに、仕事は結構覚えることがたくさんあるらしいんだよね。話聞いてると、「わたしなら絶対、行かんわ、そんなとこ」って思ったくらい。その前に、私なんか雇ってもらえないだろうけど。
でも、多くない?銀行のパート職が、元銀行員ってパターン。実は、うちの姉もそうなのよ、元銀行員で、子供が小学校高学年になって、パートで銀行で働き始め、定年まで勤めて今年の春退職した。うちのご近所にも同じような人がいる。部外者には分からない、銀行の働きやすさなんてもんがあるのかね。
女性がいっぱいいて、人間関係もややこしそうに見えるのは私だけなのかね。
でも、私思うんだ。
最初はどんな難しいと思える仕事も、繰り返しやってる仕事って、ラクなんだよね。そこから極めるのは能力とか、やる気が関係してくるんだろうけど、ある程度までなら、誰だってできるようになる。しかも何度も繰り返した仕事って、失敗の不安があまりない。
子供の頃、初めて自転車乗るのって難しかったよね。後ろを親に手で支えてもらって、ちょっと手を離されたりしたら、不安で不安でたまらなかったのに、ある日突然乗れるようになる。そうなると、始めの頃に感じた不安は完全になくなる。その内、片手運転、立ちこぎ運転、いろいろできるようになる。しかも10年ぐらいブランクがあっても、何度も乗った自転車なら又簡単に乗れるしね。
万引きだってそうだよね。初犯の時は、手が震えるぐらい、不安なのに、繰り返すと何てことなくなる。うまくなった途端、スリルもなくなる。
その例え、ちょっと違わないか?
えっ
要するに、職場を変えるより、多少不満があってもに慣れ親しんだ仕事の方が、先の予想がつく分不安は少ないよねってこと。
でもこの銀行勤めのSさん、10年以上前からケーキ屋さんで働きたいと言い続けてるんだけど、一向に実行に移さない。きっと彼女は定年まで銀行で働くんだろうな。
いわゆる、彼女も続ける派ってわけね。
50代と言えども、仕事に対する考え方、抱えている事情は違う。しかもこのトシになると、健康も左右する。自分にあった働き方が必要だ。
不満を乗り越え働き続ける人、辞めて自分にあった働き方を求める人、どちらを選ぼうと自分が納得できるのであればそれでいいと思う。
私の友人知人は、65歳まで働くと言っている人が多い。私も同じ意見だ。働く場所が変わろうと、元気に働き続けることはまだまだあきらめたくない。
そう思っているにもかかわらず、この4カ月で私がやったのは、求人誌を眺め、ネットで、派遣に登録したぐらい
長く働いてきたので、少しばかり休もうと思ったのが間違いだった
最初は楽しかったんだよね。家じゅうのカーテン洗ったり、洗面台やキッチンピカピカにしたり、本は読み放題だし、韓ドラも見放題。
これぞ自由だ!なんて思ったもんだけど・・・・・
最近は、お腹の肉は増えるし・・・・・・家事もしたくない。
それなのに、娘が1カ月前から毎日帰宅すると、私にこう聞くようになった。
「今日は一日何した?」
私も、はじめは面白半分で答えていた。
「はい!今日はクーラーのフィルターの掃除をしました」とか
「はい!今日はアロエの鉢を植え替えました」とか
「はい!今日は、ベランダの溝を水で流してきれいにしました」とか。
「はい!今日は押入れのものを全部出して、片付けました」とか。
毎日だよ、これ。
段々、言うことなくなってきて拷問に感じてきた。
そのうち・・・・・・
娘は毎日家でぐうたらしてる私にに向かって「働けば?」と催促するようになった。おまけに夫まで「仕事しないんですか?」と、敬語で聞いてくる。
ウザい奴らだ
言われなくても、働くわい
そろそろ、仕事探しに本腰を入れようと思う。目標は3カ月以内。
どうしても、年を取ると経験とかに頼っちゃうもんだけど、どうせなら、仕事人生も終盤だし、これまでとはちょっと違う仕事がしたいな。
何言ってんだ?おまえみたいな何のとりえものない女が!
あら、取り柄がないからいいのよ。取り柄があったら、それに拘っちゃうでしょ?とりえのない女はね、職業も条件も選ばないからね。私が望んでるのはちょっとの変化だもの。謙虚でしょ。
私だって、50代の職探しが、厳しいことぐらい百も承知だ。え?分かってないって?でも、確かイエス様がおっしゃってたよね?
求めよ、そうすれば与えられるであろう。
探せよ、そうすれば見つかるであろう。
門を叩けよ、そうすれば開けてもらえるだろ。
今の私に、ぐっとくるお言葉だわ