洗濯物の室内干しをしているとフリーアナウンサーの八木亜希子さんが繊維筋痛症を発症し、しばらく休養に入るとのニュースが耳に飛び込んできた。
数日前から原因不明の体調不良が続き回復の兆しがないと病院を受診したところ線維筋痛症と診断されたらしい。
中高年の女性に発症が多いらしいが、八木亜希子さんも54歳と私と年が近いだけに他人ごとではない。しかも体調不良なんて誰にもあるだろ?更年期と重なっている女性なら更年期障害?なんて思いこんでも不思議ではない。
線維筋痛症は、早期発見早期治療が重要だ。頭の隅に、「こんな病気もあるのね」
なんて知っていたら、早めに受診を促すきっかけにもなるかもと思いちょっと調べてみた。
怖い病気だ・・・・・
線維筋痛症は身体の広範囲にわたる痛みやこわばり、激しい疲労感や倦怠感、不眠、ウツ、頭痛、記憶障害など様々な障害を起こす病気である。重症化すると光や音などちょっとしたことにもで過剰に反応するようになり、服のこすれや手を洗うだけでも辛くなったりするため、平穏な日常生活が送れなくなる。
この病気にかかった方々の発言をたどると、その痛みを次のように表現している。
ダンプカー轢かれるような痛み
ガラスが突き刺さるような痛み
金槌で殴られるよ痛み
背中を斧で割られるような痛み
日本には、この病気を患っている人が、約200万人いると推定されている。世の中には痛みに苦しんでいる人がこんなにもたくさんいるんだね。他人事のように言っているが、この病気は、誰でもかかる可能性のある病気である。いまだ原因はわからないが、脳の痛みを感じる機能に障害が起きているのでは?という有力な説がある。
そのため、一般的な検査である血液検査尿検査、画像検査などを行っても体の炎症や、免疫機能にも異常は見られず、処方される薬は、治療薬ではなく痛みを取る薬や抗うつ剤だそうだ。痛み止めと言っても、薬屋さんで買うバッファリンとかセデスとかではなく性質の違う薬だ。
痛み止めは痛いんだから当然処方されるだろうが、でもなんで抗うつ剤?と思ったりしないだろうか。抗うつ剤には脳の中の神経伝達物質であるセレトニン、ノルアドレナリン、ドパミンを増やしてくれる働きがある。線維筋痛症の脳内では、痛みの伝達経路に異常が起きて知覚過敏が起きている状態だ。それを正常に導いてくれるのがセロトニンらしいのだ。よって、抗うつ剤の服用により、セロトニンの働きを促し、痛みへの過剰な反応を抑え、痛みを軽減してくれるのだ。セロトニンってホント大事なのね。
そもそも脳に異常が起きて、痛みを必要過剰に感じてしまうのはなぜか?やはりここでもその起因がストレスだと言われているが、でもほとんどの原因不明の病気って、ストレスだよね?これは、医者が「よくわかんないだよね・・・・」って時の常套句だ。
それでも、私たちはストレスが様々な病気を引き起こすことを経験から知っているのではないか?
2017年に米歌手のレディーガガさんがツイッターで線維筋痛症の病気の告白して、あまり知らなかった病名が認知されるきっかけになった。19歳の時、性暴力を受けたことによってずっと自分を責めてきたことが原因ではないかと言われているが、どうなんだろう?もしそうだとすると、線維筋痛症という病は「心の傷が作り出したもの」ということになりはしないか?
東京医科大学医学総合研究所所長の西岡久寿樹医師によると、線維筋痛症は、2段階のステップがあって発症するのではないかという考えを示されている。
どういうことかというと、例えば、第一ステップとしてに子供のころ親と死別する又は虐待を受ける。事故や手術による外傷、またはガガさんのように性的暴力を受けた経験などの精神的、肉体的なストレスや苦しみが過去にある。それから一定期間が経過して、第二ステップとして新たな引き金となるストレスが加わることによって「痛み」という形で症状が現れるのが線維筋痛症なのだと。
心が悲鳴を上げているのに気づいてあげられず、さらに負荷がかかって心が耐えきれなくなって身体に痛みをこしらえたということなのだろうか。
聞いて、聞いて、聞いて、聞いて、聞いて、聞いて、聞いて!
って子供が訴えているときに親が無視したら、子供は拗ねてわざと病気になったり非行に走ったりするよね?そんな時に一番効果的なのは、子供を正そうとすることではない。ここを親は間違えるけど、ほんとは「よしよし、辛かったんだね」と受け入れることだというのが多くの専門家の意見だと思う。きっと心もそうなんだろうね。
体が痛みという声なき声を発したら、ひたすら心を癒すことが必要だ。
それよりもっと大切なのは、身体が痛む前に心の痛みが小さいうちに充分に受け入れ癒すことこそがより大事なのかもしれない。心の痛みが先で、身体の痛みが後だ。
と、この意見は線維筋痛症が心とつながってるということを前提で述べているが、実際のところは解明されてはいない。かと言って、現代の医学をもって身体のあらゆる検査をしても異常が見つからない以上、ストレスによって心が何らかの衝撃を受けたことが病気の一因であることは明らかではないだろうか。
この病気の男女比率は、男性が16.8%で女性が83.2%と、圧倒的に女性がかかりやすい病気だ。仕事だけでなく家事や育児や介護など女性にかかる負担は大きい。忙しすぎて、限界超えているのにも気づかず頑張ってしまう人は注意した方がいいだろう。真面目で几帳面で完璧主義な人ほどかかりやすいそうだ。
痛みは、頑張りすぎる女性たちへの警告なのだ。
もし、予防策があるとしたらやはり時には弱音を吐いて、自分の心の声を聴いてあげることが大事なのかもしれない。